ReGoLith編集部

メニューを増やす前に、選べるかを確かめる
サロンの予約ページを見ているのに、どのメニューを選べばよいかわからない。初めてのお客様には、店内で当たり前に使っている名前が、説明になっていないことがあります。似た名前が並び、違いは金額だけ。そんな画面になっていたら、新しいコースを追加する前に、一つずつ説明を見直してみませんか。
厚生労働省が2019年3月に発行した美容業向けマニュアルでも、利用者が店に行きづらいと感じる理由として、料金のわかりにくさが取り上げられています。これは当時の調査であり、今の自店の離脱理由を示すものではありません。ただ、選ぶ前の不安を調べる入口にはなります。以下は、その視点からの運用上の提案です。
名前の下に「何をするか」を一行で添える
たとえば架空の「スタンダードケア」「プレミアムケア」という二つのメニューがあるとします。その名前だけでは、お客様は価格差が何によるものか判断できません。使う製品の名前を並べるより、施術に何が含まれるか、どのような相談をしたい方に向けた内容かを短く書きます。
美容室のカラーなら、カットを含むか、全体か根元だけか、ブローが含まれるか。エステのコースなら、施術する部位、行う内容、カウンセリングを含むか。店内で説明している言葉を一度書き出すと、予約画面に足りない情報を探しやすくなります。仕上がりや効果を一律に約束する表現は避け、実際に提供する内容を伝えます。
金額と時間は、条件と一緒に読む
表示価格を見て来店したのに、必要な追加料金が後からわかる。そのような行き違いを減らすため、基本料金に含むものと、条件によって加わるものを近くに置きます。髪の長さ、担当者の指名、追加の施術などで金額が変わるなら、該当する条件と金額の示し方をそろえてください。
「詳しくは来店時に」だけで終わらせず、事前に確定できる範囲を伝えます。状態を見てからでないと決まらない部分は、その理由と、施術前に説明することを明記します。金額の見せ方を変える作業と、実際の価格改定は分けて考えましょう。
時間も同じです。「施術60分」が来店から退店までの目安なのか、施術だけなのかで予定の組み方が変わります。初回の説明や着替えが別に必要なら、それも含めた滞在時間の目安を案内します。現場で対応できる時間を確認してから掲載することが前提です。
迷ったときの相談先を用意する
メニューを読んでも判断できない方に、どれかを選んで予約するよう求めると、来店後に内容を変更することになりかねません。予約前に相談できる窓口があるなら、何を伝えれば相談できるかまで示します。たとえば「希望する内容と、今迷っているメニュー名をお知らせください」という案内です。
相談用の予約枠を作る場合は、店舗が確保できる時間と対応内容を先に決めます。すべての施術へ当日変更できるとは限らないため、相談枠の予約だけで施術まで確約する書き方にはしません。窓口を増やすより、スタッフが無理なく返答できる方法を一つ整える方が、まず試しやすいはずです。
一週間は、同じ質問が減ったかを見る
最初の変更は、問い合わせの多いメニュー一つで十分です。担当者以外のスタッフにスマートフォンで見てもらい、「何が含まれるか」「いくらかかるか」「どれくらい時間が必要か」を説明できるか確かめます。理解が分かれた箇所だけを直し、文章を長くしすぎないようにします。
掲載後は、予約件数だけでなく、同じ内容の質問、来店後のメニュー変更、想定外の追加料金についての行き違いを記録します。件数を比べるときは、閲覧数や問い合わせ総数も可能な範囲で並べます。質問が減っても、そもそも見られていなければ改善の結果とは言い切れません。
お客様から質問が来なくなることが目的ではありません。相談が必要な部分を残しつつ、読むだけでわかることを増やす。その整理ができてから、選択肢を増やすべきかを考えてみてください。
参考資料
参照確認日:2026-10-24