社内で共有するAIの指示文、どこを書き換えるか伝わっていますか

AIセミナー

ReGoLith編集部 

共通の入力欄を持つひな形カードから二つの記入例へ線が分かれる、紺と淡い青の線画

自分には使える指示文が、同僚には使えない

AI研修でうまくいった指示文を社内チャットに貼ったのに、ほかの人が使うと意図した答えにならない。そんなときは、文章の長さよりも、指示文の外にある前提を確認してみてください。最初に試した人だけが知っている事情や、会話の途中で補足した条件が抜けていることがあります。

共有するなら、成功したやり取りを丸ごと渡すより、「毎回変える情報」と「共通で守る条件」を分けたひな形にすると、使う側が迷いにくくなります。ここでは、社内のお知らせ文を下書きする仕事を仮の例に、整え方を紹介します。

書き換える場所を、先に見せる

例えば「社内向けのお知らせを書いて」だけでは、読む人も、必要な行動も決まりません。ひな形の冒頭に、差し替える欄を用意します。この例なら「対象者」「知らせたい事実」「相手にしてほしいこと」「期限」の四つです。期限がない場合は「なし」、まだ決まっていない場合は「未定」と記入します。

続けて、共通の依頼を短く書きます。「上の情報だけを使い、件名と本文を作成してください。本文は200字程度。未定の日時や場所を補わず、作成に必要な情報が不足していれば先に質問してください」という形です。これは練習用の一例なので、文字数や項目は実際の用途に合わせて調整してください。

差し替え欄の中に前回の日時を残しておくと、そのまま次のお知らせへ紛れ込むおそれがあります。配布用のひな形には空欄の見本を置き、記入済みの例は別にします。

前の会話がなくても使えるか試す

ひな形を整えたら、会社で利用を認めているAIツールで新しい会話を開き、そこへ貼って試します。前の会話に書いた部署名や文体の指定に頼らず、必要な前提が伝わるかを見るためです。保存済みの個人設定などが影響する場合もあるため、使用したツールや設定もメモしておくと、違いを確認しやすくなります。

Claudeの公式ヘルプでも、依頼を明確かつ具体的に伝え、背景情報を含めること、複雑な依頼を段階に分けることが案内されています。ただし、指示を詳しく書けば内容の正しさまで保証されるわけではありません。完成した文章の確認は引き続き必要です。

入力には、社内で使用が認められた情報だけを使います。練習のために、顧客情報や未公開の社内資料をそのまま貼る必要はありません。

上手に書けた一例だけで、完成にしない

試す材料は、条件がそろったものだけでなく、一部が未定のものも用意します。例えば「場所は決まっているが時間は未定」「対象が全社員ではなく一部の部署」「相手に返事を求めない連絡」の三つです。いずれも架空の内容で構いません。

確認するのは、文章が流暢かどうかよりも、対象者を広げていないか、未定事項を勝手に埋めていないか、不要な返信依頼を足していないかです。修正が必要になった部分は、元の情報が足りなかったのか、指示が曖昧だったのか、人が判断すべき事項だったのかを分けて残します。

この点検をせずに指示文へ注意書きを足し続けると、読みにくくなり、条件同士が矛盾することもあります。一度に直す箇所を絞り、同じ材料で試し直すほうが、何を変更したか追いやすくなります。

配る前に、別の人に一度使ってもらう

作った本人が横で説明しなくても使えるか、同僚に試してもらいます。「ここには何を書くのか」と聞かれた欄は、使う人の知識不足と決めつけず、見出しや記入例を見直す手がかりにします。

保存先には、用途、使わない場面、更新日、修正を相談する人を添えてください。例えば「社内の一般連絡の下書き用。人事処分や契約条件の通知には使わない」と範囲を書けば、用途を広げすぎずに済みます。最新版を一か所に置き、社内チャットにはその場所へのリンクを共有する方法もあります。

研修の成果物を持ち帰るときは、指示文だけでなく、入力例と確認項目も一緒に残す。その小さな準備があると、担当者が変わったあとも、どこを直せばよいか話し合える状態になります。

参考資料

参照確認日:2026-10-27

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