ReGoLith編集部

リンクが付いていると、安心してしまう
AIに調査を頼むと、説明と一緒に参考リンクが並ぶことがあります。そのまま提案書へ移したくなりますが、リンクがあることと、書かれた内容が裏づけられていることは別です。まずは重要な一文を選び、元の資料までたどって確認してみましょう。
デジタル庁が2026年9月16日に公開した解説でも、生成AIが事実と違う情報を出す可能性と、人が内容を確認してから利用する必要性が説明されています。これは政府の利活用ルールを解説したものです。以下は、その注意点を踏まえ、事業者が日々の調査で使えるように整理した確認方法です。
一文ずつ、何を確かめるかを分ける
たとえばAIが「このサービスは月額制で、全プランに予約機能が含まれる」とまとめた場合、料金体系と、予約機能の対象プランは別の確認事項です。一つの文章として読まず、「月額制なのか」「どのプランに含まれるのか」に分けます。
最初に確認するのは、提案の結論を左右する情報です。料金、提供範囲、利用条件、期限などを優先します。背景説明も最終的には確認しますが、重要な条件が違っていれば、資料全体の組み立てを変える必要があるためです。
AIへの依頼も「調べてまとめて」だけで終えず、「事実として記載した内容ごとに、参照先と該当箇所を示してください。確認できないものは未確認としてください」と添えます。ただし、この指示を入れても、検証が済んだことにはなりません。
開けたページの中に、根拠はあるか
提示されたリンクを開き、まず発行元と資料名を確認します。会社の料金なら提供会社の料金ページ、制度なら所管する機関の説明など、情報を出した当事者の資料を探します。解説記事は背景を理解する助けになりますが、そこから元資料へたどれるかも見ておきます。
次に、ページ内で該当する文や表を探します。検索結果に表示された短い紹介文だけで判断せず、前後の説明や注記も読みます。「一部の契約で利用できる」という記載を、「誰でも利用できる」と要約していないか。数字だけ同じでも、意味が変わっていないかを照合します。
リンクが開けない、該当箇所が見つからない場合は、その情報を確認済みにしません。公式サイト内の検索などで元資料を探し、見つからなければ資料から外すか、未確認事項として担当者に渡します。
日付と対象を、一緒に残す
正しい資料でも、使う場面と条件が違うことがあります。公開日だけでなく、情報が対象とする時期も確認します。調査であれば回答者や調査期間、サービスなら対象地域やプラン、キャンペーンなら適用期間を見る、といった具合です。
仮に昨年の料金紹介を見つけたなら、今年も同額とは限りません。現在の公式料金ページや変更のお知らせを確認し、資料を作成した日の条件として記録します。更新日が見当たらないことを、情報が新しい証拠として扱わないようにします。
手元のメモには「使いたい内容/根拠のURL/ページ・見出し/確認日/残る条件」を残します。URLだけを大量に貼るより、後から別の人が同じ場所を開いて確かめやすくなります。
別のAIにも聞いた、で確認を終えない
二つのAIが同じ回答をしても、それだけでは元資料との照合にはなりません。別のAIには「抜けている条件はないか」「どの部分を調べ直すべきか」と、確認項目を増やす役割を頼む方法があります。最終的には、人が根拠を読んで採用するか判断します。
研修で練習するなら、公開されている一つのサービスについて、AIに短い比較メモを作ってもらい、重要な主張を三つだけ検証してみます。扱う資料は社内で利用が認められたものに限り、個人情報や未公開資料を練習用として安易に入力しないようにします。
評価するのは、文章がきれいにまとまったかだけではありません。根拠へ戻れたか、条件を落とさなかったか、未確認の情報を未確認のまま残せたか。この作業を一度経験すると、調査を依頼する段階で、何を出してもらうべきかが具体的になります。
参考資料
参照確認日:2026-10-25