AIで問い合わせ返信を下書きするなら、先に「確認する人」を決める

AIセミナー

ReGoLith編集部 

返信の下書きを表示するパソコンと、人が確認するチェックリストと虫眼鏡の線画

完成した文章に見えるからこそ、確認役を先に

問い合わせ返信の下書きは、業務でAIを試す題材の一つです。ただ、文章が滑らかだと、そこに書かれた料金や対応条件まで正しそうに見えてしまいます。導入時に決めたいのは、上手な指示文だけではありません。誰が事実を確認し、誰が送信するのか。その分担を先に置くと、試した結果も評価しやすくなります。

IPAの「AI利用者のためのセキュリティ豆知識」は、生成AIが事実と異なる回答をする可能性や、入力情報の扱いへの注意を説明しています。以下はそれを踏まえた、少人数の会社で試すための運用案です。特定のAI製品なら安全だという意味ではなく、利用するサービスの契約・設定と社内ルールの確認が前提になります。

最初は実際の顧客メールを使わない

練習用に、公開済みのサービス情報と架空の問い合わせを用意します。氏名やメールアドレスを消すだけでなく、相談の詳細から個人や取引先が推測できないかも点検してください。社内で外部サービスへの入力が認められていない情報は、練習でも使いません。

たとえば「動画制作の相談に必要な情報を知りたい」という仮の問い合わせなら、会社の公開ページにある対応範囲だけを材料にできます。見積金額や空き日程をAIに推測させず、未確定の点は担当者が確認する扱いにします。実際の問い合わせを扱う段階は、入力できる情報を社内で決めてからです。

指示には、答えだけでなく境界線を書く

下書きを頼む際は、返信の目的、使ってよい事実、判断してはいけない項目を一緒に渡します。仮の練習なら「掲載済みのサービス案内だけを使い、相談者に確認したい事項を整理してください。料金・納期・予約可否は推測しないでください。資料にない点は要確認と分けてください」といった依頼が考えられます。

この指定で誤りがなくなるわけではありません。「要確認」と書いてあっても、別の文に未確認の約束が混ざることは想定しておきます。担当者が見比べる元資料を一つにそろえておくと、どの記載が根拠なのか探し直す手間を減らせます。

確認するのは、敬語より先に事実と約束

レビューでは、まず固有名詞、料金、日付、対応範囲が資料と一致しているかを見ます。次に「対応できます」「必ず間に合います」のような、相手との約束になる表現を確認します。未確定の見積もりや納期を、文章の自然さのために言い切っていないかが重要です。

その後で、質問に答えているか、追加で聞くことが多すぎないか、会社の普段の言葉づかいに合っているかを整えます。送信前には宛先と添付も人が確認します。下書きを作る担当と最終確認者が同じ場合でも、作成と送信を別の操作に分け、勢いで送らない手順にしておきましょう。

試す件数より、比較の条件をそろえる

導入直後は、同じ種類の仮の問い合わせを数件用意し、手作業とAI利用の両方で時間を測る方法があります。比較するのは生成にかかった秒数ではなく、入力準備、事実確認、書き直しまで含めた時間です。間違った箇所と修正量も残します。

短く返せる問い合わせでは、AIに指示するほうが時間を使うこともあります。反対に、複数の確認事項を整理する下書きでは役立つかもしれません。小さな試行の結果を、全業務の削減効果に広げて説明しないようにします。

セミナーで持ち帰りたいのは、自社の確認手順

AIの操作を覚えた後に「では誰が確認するのか」が未定だと、日々の仕事には定着しにくくなります。学ぶテーマを選ぶ際は、自社で試したい一つの作業、入力してよい情報、確認する人を持ち寄れるかを考えてみてください。便利な機能をたくさん知ることより、翌日から小さく試して見直せる手順を作るほうが、最初の一歩になります。

参考資料

参照確認日:2026-10-22

AIセミナーのご相談

関連する事業を見る →

相談する
← ブログ一覧へ

制作・研修のご相談

「撮影を頼みたい」「社内でSNSを運用したい」など、
今、必要としていることをお聞かせください。

お問い合わせ